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「走路」と「スリーフットライン」とは ~野球の気になるルールを解説~
皆さんは野球用語として使われる、「走路」と「スリーフットライン」をご存知でしょうか。
「聞いたことはあるけど、詳しくは分からない」という人もいるのではないでしょうか。ここでは、そんな「走路」と「スリーフットライン」について、解説していきたいと思います。野球を始めたばかりでルールがよく分からないという人の一助となれば、幸いです。
「走路」とは
「走路」とは、塁と次の塁を結んだ直線上の左右3フィート(約90㎝)ずつ、合計6フィート(約1.8m)の幅のことを言います。基本的に、走者(ランナー)はここを走りますが、走路を外れて走っていても、通常は特に問題ありません。しかし、挟殺プレイ(ランダウンプレイ)などで野手からのタッチを避けるために走路を外れた場合、走者はタッチされずとも審判にアウトを宣告されることがあります。これを、スリーフィートオーバー(走路から外れたための反則)と言います。
「スリーフットライン」とは
「スリーフットライン」とは、ファウルラインから、「スリーフット」=3フィート(約90㎝)、ファウルゾーン側に引かれたラインのことです。
「スリーフットライン」は、本塁・一塁間(90フィート、約27.4m)の中点にあたる、本塁から45フィート(約13.7m)の地点から一塁方向へ、ファウルラインと平行に描かれています。そして、スリーフットラインとファウルラインで囲まれた区域を「スリーフットレーン」と言います。
ちなみに、フットとフィートは同じ単位ですので、(1フィート、フット=約30㎝)
- 「走路」・・・ 幅が合計6フィート(約1.8m)
- 「スリーフットレーン」・・・幅が約3フィート(約90㎝)
となり、「スリーフットレーン」は、「走路」の半分の幅になっています。
「スリーフットライン」は、本塁・一塁間(90フィート、約27.4m)の中点にあたる、本塁から45フィート(約13.7m)の地点から一塁方向へ、ファウルラインと平行に描かれています。そして、スリーフットラインとファウルラインで囲まれた区域を「スリーフットレーン」と言います。
打者走者は基本的にここを走りますが、必ず走らなくてはいけないということではありません。オーバーランをする時や二塁に向かうために「膨らむ」時など、ここを外れて走る場合があります。(走塁の「膨らむ」についての記事 走塁が上手くなるための基本、「ベースランニング」を大切にしよう! | へいほーブログ (heihorblog.com))
しかし、一塁に対して守備が行われている時に、打者走者がスリーフットレーンの外を走って、野手の動作を妨げてしまうと、打者走者は守備妨害でアウトを宣告されてしまいます。
ここまでのまとめ
- 「走路」・・・ 幅が合計6フィート(約1.8m)
- 「スリーフットレーン」・・・幅が約3フィート(約90㎝)
- 走者は基本的に「走路」や「スリーフットレーン」を走る
スリーフットレーンの幅が90㎝の理由
前にも述べたように、 「スリーフットレーン」は、「走路」の半分の幅になっています。 では、なぜ「スリーフットレーン」の幅が「走路」の幅の半分(約90㎝)になるのでしょうか?
それは、「スリーフットレーン」は本塁・一塁間の「走路」の右半分だからです。
先にも述べたように、「走路」とは、 塁と次の塁を結んだ直線上の左右3フィート(約90㎝)ずつ、合計6フィート(約1.8m)の幅のことです。そして、「スリーフットレーン」は、この6フィートある走路の右半分だけに限定してしまいました。 では、なぜ「スリーフットレーン」はわざわざ、走路の幅を半分にしたのでしょうか ?
それは、事故を防止するためです。
本塁・一塁間は走路の中でも一番プレーが行われる場所です。ファウルラインの内側(走路の左側)は、捕手からの送球が来たり、ファーストが守備をしたり、多くのプレーが行われます。多くのプレーが行われるファウルラインの内側を打者走者が走ると、ファーストと接触する可能性があります。接触事故によって、両者、怪我をしてしまうかもしれません。しかし、スリーフットレーンを走れば、ぶつかることはめったに起きません。お互いに怪我をしないためにも、打者走者は、基本的に、スリーフットレーンを走ることを心掛けましょう。
ここまで、「走路」や「スリーフットライン」について解説してきて、走者は基本的に走路やスリーフットレーンを走るほうが良いと解説してきました。 しかし、それらにも、次のような例外があります。
走路を走っていても、反則になることがある
- 「守備をしている・しようとしている野手の動作・機会を妨害した」時
具体的には、一・二塁間、二・三塁間で守備をしている・しようとしているセカンドやショートにぶつかってしまった時や、野手が捕ろうとしているボールにぶつかってしまって、野手の守備機会を奪ってしまった時
このようなことが想定される場合では、走者は野手とぶつからないように避けなければなりません。この時、走路を外れてしまっても、仕方がありません。例外にもしっかり対応できるように、覚えておきましょう。
走路の基準が変わる場合がある
- 走者が本来の走路の外に出ていた時にタッチプレイが行われた場合
具体的には、走者1塁の場面でセカンドゴロをセカンドが本来の走路上で捕球。走者はセカンドを避けるために本来の走路外に出て走っていたが、セカンドがその走者に対して、タッチしようとした時
この場合では、塁と次の塁を結んだ直線上の左右3フィートずつではなく、「タッチを避けようとした時に走者がいた地点と走者が進もうとする塁」を結んだ線を基準にし、左右3フィートずつが走路として定められます。
このように、走路の基準が変わってしまうことがあります。走路の基準が変わることは、アウトになる基準が変わることです。対応できるように、しっかり覚えておきましょう。
「走路」と「スリーフットライン」についてのまとめ
ここまで、「走路」と「スリーフットライン」について、基本的なルールや例外などについて解説してきました。
- 「走路」・・・ 幅が合計6フィート(約1.8m)
- 「スリーフットレーン」・・・幅が約3フィート(約90㎝)→事故防止の観点
- 走者は基本的に「走路」や「スリーフットレーン」を走る
- 例外に対応できるように、基本的な知識を抑えておく
野球には、たくさんのルールがあり、難しく感じるかもしれません。しかし、ややこしそうに見えるものでも、ひとつずつ理解していけば、難しくはありません。
今回、解説した「走路」と「スリーフットライン」について、しっかりと理解し、プレーに生かしていきましょう!